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障がいのある子を持つ親の悩みや将来への不安


「想いをつなぐ相談室」
では、これまでに多くの障がいある子のご両親の相談を受けてきました。
お子さんの障がいの種類・程度・年齢・性別・家族構成・家庭環境によって、さまざまな悩みがあります。
比較的多いご相談内容としては、
「親なきあとへの将来への不安があるが、漠然としているので何から手を付けていいかわからない」
というものです。
このブログでは、そのようなお悩みや将来への不安に対しての情報や制度・しくみを発信いたします。

目次

「障がいある子の親なきあと」の三つの心配事

親なきあとの一つ目の心配事として考えられるのが、お金の管理(財産管理)です。
親なきあとは誰が障がいある子の財産を管理してくれるのでしょうか?
兄弟姉妹でしょうか?兄弟姉妹がいない場合は・・・。

次に、住む場所です。居所をどうするかです。
ご自宅で両親と同居しているケースは多いと思います。
親なきあともご自宅で一人で生活するには支援が必要です。
その他にも、グループホームや入所施設などの選択肢があります。

最後は、身の回りのこと・日常生活の心配です。
自立度が高いお子さんは特に問題はありませんが、それでも注意を要することはあります。
たとえば、お金の使い方やお子さん自身が体調を崩したときの対象法など。

「想いをつなぐ相談室」にて多くのお父さん・お母さんの相談を受けてきました。
共通しているのは、どうしたらわが子が安心安全に暮らしていけるかということです。
もし、この三つの心配事がクリアされれば、親の想いをつないでいけるかもしれません。

親なきあとのお金の管理

お金の管理は、障がいある子の収入と支出を把握することです。
収入で考えられるのが、障がい年金・障がい者手当、就労していれば給料・工賃です。
支出は、生活費・光熱費・家賃などです。この収支バランスを取ることが重要です。

そして、将来的に親の財産を相続することになります。
この相続財産には、預貯金以外に不動産を含むケースがあります。
障がいある子がその不動産を含めた相続財産を管理することができるかが問題です。

この財産管理を親の代わりにしてくれる制度として、「成年後見制度」「家族信託」があります。
「成年後見制度」は判断能力が低下している人を支援するしくみです。
不動産や預貯金などの財産管理、介護サービスや施設入所の各種契約、遺産分割の
協議をする必要があっても、自分ですることが難しい場合あります。
このような、判断能力の不十分な方々を保護し支援するのが成年後見制度です。

また、成年後見制度に対して一部代替性があるのが「家族信託」と言われています。
信託は、信じてある人に財産を移転してこれを管理活用して、その財産を与えたい人に給付する制度です。
「家族信託」は登場人物全員が家族。信頼する家族に財産を託し一定の目的のために管理運用給付します。
親     ・・財産を持っていて託す人
兄弟姉妹  ・・財産を託させれ管理・運用する人
障がいある子・・財産の管理運用で利益を受ける人

親なきあと問題に関連する成年後見制度・家族信託の詳細は、次回以降のブログで紹介する予定です。

親なきあとの生活する場所(居所)の問題

親なきあとに障がいのある子が、どこで生活するのか?どこを居所とするのか?非常に気になるところです。
その子の障がいの種類や程度を含めたパーソナルな部分で、決まっていく感じがします。
車いすを利用ならば、完全バリアフリーな住まいが必要です。また、自立度の程度によっても住む場所が異なるかもしれません。

選択肢としては、前述しましたが、在宅で支援を受けるケースと入所施設やグループホームとなります。
入所施設は、順番待ちの状態が続いていて「何十番待ち」という話をよく聞きます。入所するまで何年かかるかわかりません。
また、お子さんがその入所施設に適してるのか、判断しなくてはなりません。
自宅から近いからとの理由で決めてしまい、退所したケースもあります。
親の利益と子の利益が衝突しないように、居所の問題はお子さんの意見も尊重しつつ考えていただければと思います。
現在、障がい福祉行政では「入所施設」から「地域」「在宅」へ介助・介護の中心を移す方向に進んでます。

グループホームは、障がい福祉事業所が直接運営する「介護サービス包括型」や
介護サービスを外部に依頼する「外部サービス利用型」があります。
また、現在は新規参入の事業所(株式会社など)が増加しています。

そして、既存のグループホームを利用するのではなく、親同士が協力してグループホームを造るのも選択肢の一つです
たとえば、肢体不自由者で車いす利用の年齢が近い同性の子を持つ親が3~4組集まり、
共同で完全バリアフリーのグループホームを造り運営する。という考え方です。
子たちの性格や相性の問題もあるが、同性で障がいの程度・年齢が同じくらいが共同生活しやすいのでは・・・。
費用面の負担は大きいですが、子の安心安全は守れるかもしれません。

特に、グループホームに関しては、シェアハウスなどいろいろな形態のものが登場する可能性があります。
これからも情報を集めて検討し、ご報告していきます。

親なきあとの日常生活(身の回りのこと)について

親なきあとの日常生活はどうなるのでしょうか?

日常生活は居所によって大きく変わってきます。
在宅で一人暮らしの場合は、ある程度自立しているので障害者総合支援法の福祉サービスを利用することになります。
サービスの種類は居宅生活支援や夜間居住支援などがあります。
入所施設は、介護職員が食事・入浴・排泄など身の回りの事や生活全般に関して支援の体制が整っています。
介護サービス包括型のグループホームには、施設管理者を中心に介護職員が常駐するのでグループホーム内での生活は問題ありません。
休日に外出する場合には、障害者総合支援法の移動支援を利用します。

また、各自治体の社会福祉協議会では、高齢者や障がい者の身の回りをサポートする日常生活支援事業を行っています。
埼玉県社会福祉協議会は「あんしんサポートねっと」が福祉サービスの利用をお手伝いしています。
具体的には、訪問して相談を受けたり・福祉サービスの内容や利用方法を説明します。
さらに日常生活上の手続き援助・日常的金銭管理・書類等預かりサービスなどが利用できます。

このように「お金の管理」「居所の決定」「日常生活」は非常に密接な関係にあります。
切り離さないでいっしょに考えていくべきだと思います。
そのためにも、常にアンテナを張って情報の収集することが重要です。
障がい福祉に関する情報は膨大ですが、少しでも「知っていること」を増やすことが、
障がいある子のこれからの生活に反映されるのではないでしょうか?

知識を蓄えることによって、子にとって何が望ましいのか?望ましくないのか?
を判断することができようになるかもしれません。
情報を得て、選択肢を増やすことで、少しでも子の利益につながればと考えます。

これからも「障がいある子の親なきあとのこと」に関連する情報や制度・しくみを発信していきます。
参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

最後に「想いをつなぐ相談室」では親なきあと問題のご相談(無料)およびセミナー講師をお受けしております。
お申込みは 申し込みフォームからお願いいたします。ぜひ、ご活用ください。












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